633.0フラグメント


ユウはジャングルジムの上に姿を現す。
優が明日架を探していた。

「ここじゃなかったか・・・
 明日架のこと分かってないんだな、私・・・」


そして諦めたような雰囲気で公園を出ようとする。

それを見たユウはさらに腹をたてる。

「へえー。諦めるんだ?ホントやることなすこと上っ面よね。
アンタ自分ってもんがないの?私界一の劣等生だわ」

ユウの声に反応する優。

「うるさいわね!あんたの相手する気分じゃないのよ」

そういうと公園を出ようとするが立ち止まり

「もしかして・・・知ってる?明日架がどこにいるか」

ユウ

「知らな~い。でも分かるかも」

優が振り向くと同時にアストラルモジュールをふわっと投げる。

優はそれを受け取ると見覚えのある画面が目に入る。

「あっ!クラッター反応?」

ユウ

「片方はね。でももう片一方は違う。シリアスカを襲ったあいつよ」

「黄昏の王?」

ユウは空を見上げる

「憶測だけど、あいつの標的はこの世界の明日架なのかも・・・

 シリアスカの世界は均衡を保ってたのに、それをヤツはあえて破って

 あの子を亡き者にした。明日架に近づくのに邪魔だったからよ。」

「どういうこと?どうして明日架を?」

ユウ

「さあ?憶測だし。でも自慢じゃないけど、私・・・」

ユウはジャングルジムから飛び降り

優の目の前にそして自慢げに言う。
「明日架に関することはよく当たるから」

優は少し悲しげに

「私と違って?」


ユウ

「だけど・・この世界の明日架はあんたにしか救えない」


ユウの今までにないまじめな顔・・・
怒ってるようにも見え、優はハッとする


ユウ

「それあげるわ。好きに使って。だけど明日架を失ったら承知しないわよ」


「恩に着るわ」


そういうと明日架の元へ走り出す。

 

「私と同じ目に・・・遭わないで」

 ユウはその言葉を残し自分のフラグメントに戻った。

 

ユウのフラグメント

ゲートから出てくるユウ。

ユウ

「状況はどう?」

クロエ

「明日架さんはあの子と接触。明日架さんに自分と来るように言ってる」

 

ユウはふとモニターに目をやると、クモの糸の様な物が体に巻き付いて

倒れている奈々、みあ、クロエの3人の姿が目に入る。

ユウ

「こっちの3人は?」

クロエ

「今回のクラッターは、この子たちの先生で補習と称して

 キミたちがイコライザーになった想いは現実の世界では

 通用しないということを正論で追い込んで・・・

 3人の心をへし折ったっていう感じ・・・かな」

ユウ

「そう・・・」

アスカ

「おい、助けに行かなくていいのか?」

ユウ

「ええ。あの子たちには自分の力で乗り越えてもらわないと

 ・・・・・でもどうしてもダメだったらその時はね」

アスカ

「・・・そうか」

ユウ

(その心をへし折る役、私がやる予定だったんだけど・・・

 いい方向に予定が狂ってくれてるのかしら・・)

 

ユウは3人の様子が映し出されているモニターの方に目をやると

3人の声が聞こえてくる

 

奈々

「私はいつか、あいつが言ったっみたいな大人に・・・」

みあ

「現実世界ではヒーローになんてなれない・・・」

クロエ

「ボクは孤独に一生を終える・・・」

クロエのその言葉にみあが反応する

「それだけはみあ、違うと思います。」

クロエ

「え・・・」

みあ

「たとえいくつになっても、あの明日架先輩や

 優先輩がクロエ先輩を一人きりにすると思いますか?
もちろん、みあもです。」

奈々

「私だってそうだよ、クロエ」

クロエは、ハッとして涙がこぼれる。

「クソッ・・クソッ・・クソッ!ボクは信じてたんだ・・・

キミたちならそう言ってくれるって!なのになんで
あいつに言い返せなかったんだ!」

クロエは起き上がり天をみて
「アスカさんが言ってたじゃないか・・・
 世界の有り様は僕たちの行動の帰結だと!
 世界はボク達の行動の先にあるんだ。
 大人が勝手に描いたありふれてた物語の中なんじゃない!」

その言葉にハッとする奈々とみあ。

奈々は起き上がり

「私は・・・あいつが言ったのとは違う人生を選べる。ううん、選ぶ!」

そしてみあも起き上がる

「もし選んだ先がままならない人生でも、みあは戦い続けます!」

クロエ

「ボクの価値はボク自身で決める!それがボク達イコライザーだ!」

 すると天が輝きだす。

 


それを見ていたユウ

「フッ、乗り越えたわね」

 



クロエ 奈々 みあ

『茜さす我、いでよ!デュプリケート!!』

 

3人包み込んでいた繭の様な物を吹き飛ばし
イコライザー化した3人が出てくる。


それを見たアスカ

「いつもと何か違うような・・・」


イコライザーに変身した3
人の体は七色に輝いていた。


ユウ

「今のあの子たち、あんたより強いわよ」


アスカ

「そうか。これがお前の言っていた一段先の・・・」


ユウ

3人はもう大丈夫ね。後は・・・」


クロエ

「そうだね」


そう言ってメインモニターには
優と明日架の監視システムの画像をだけを表示した。

 


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