時は遡り海のフラグメント。

くろえの家。パソコンに向かっているくろえ。
ふとドアをノックする音。
「こんな時間に誰だろう?」
玄関に向かい、そっとドアを開けると
1人の少女が立っていた。

くろえ驚きを隠せない。
「えっ?・・・キ、キミは!?」

クロエ
「キミに頼みがあって来た。」



1時間前のユウのフラグメント

クロエの部屋に訪れたユウ
「クロエ、用ってなに?」

クロエはアスカのアストラルモジュールを手に持ち
「キミに頼まれたこれの修理なんだけど」

ユウ
「もしかして修理できない位、重症?」

クロエ
「いや、問題はないんだけど、幾つか部品の
 交換が必要なんだ。だけど一つ気になることがあって」

ユウ
「気になる事?」

クロエ
「ああ、もしこの先、うまく事が進んだとして
 キミが言っていた可能性の一つ、時間が戻った場合
 この世界の物は消えてしまうんじゃないかと
 思ったんだ。ユウはどう思う?」

ハッとするユウ
「・・・その可能性は十分考えられるわね。
 修理しても、その際に使ったこの世界の部品が
 消えてしまったら・・・
 迂闊だった・・・」

クロエ
「それでボクに1つ心当たりがあるんだ。」

ユウ
「えっ」


海のフラグメントくろえの家

くろえは椅子にクロエはベットに腰かけていた。
くろえ
「だいたい話は分かったよ。」

クロエ
「信じられないだろうけど、真実なんだ。」

くろえ
「ボクが気が付いたらホワイトゴートが破壊されてた事。
 ボク達が用意したメモリーユニットが無くなってた事。
 ボクのノートにボクの筆跡で一言書き残されてた事。
 キミの話はすべて筋が通る。
 そして目の前にいるボクと同じ姿のキミ。
 信じるよ。いや信じざるを得ない。」

クロエ
「ありがとう。早速なんだけど、これなんだ」

アストラルモジュールをくろえに見せる。
それを見たくろえは
「ボクはこの機械の事は全く知らないけど・・・
 大丈夫かな?」

クロエ
「大丈夫。ボクが教えていくから。だけど修理するには、
 このメモに書いてある部品が必要なんだ。」

メモを受け取り目を通すくろえ。
そして頷く。
「この部品なら全部あると思うよ。」

くろえは棚から箱を取り出して机に上に置き
蓋をあけ仕切りの付いた小箱を二つ取り出し
蓋をあけ机の上に置く。

くろえ
「えっと・・・これと・・・これと・・・
 これかな?」

そう言いながら、指でさしていった。

クロエは部品をチェックしていく。
全てチェックし終えると

「うん、大丈夫だ。」

そして修理が始まった。


時は流れ

くろえは一息つき机に修理に使った道具を置く。
「言われた通り全て終わったよ。」

クロエはアストラルモジュールを手に取り
「ありがとう。助かったよ。」

くろえ
「ボクの世界を救ってくれたんだ。
 この位のこと当然だよ。」

そしてクロエは電源を入れ、いろいろテストを繰り返すし
特に問題が無いことを確認する。
「うん、問題は無いけど、リセットは必要そうだね。」

くろえ
「無事に直ったようで良かった。」

クロエ
「本当にありがとう。じゃあ戻るね。」

クロエは外に出ると自分のアストラルモジュールを
起動させ自分のフラグメントに戻った。


ゲートから出るといつもクロエが座っている席に
クロエと交代で室長をやっている、くるみが座っていた。

くるみは振り返り
「あっ、クロエお帰り。」

クロエ
「ただいま」

くるみ
「交代してから、ぜんぜん寝てないみたいだけど大丈夫?」

クロエ
「向こうのフラグメントで充分休んできた。」

くるみ
「そう、ならいいけど」

クロエ
「交代まで、まだ時間あるね。
 ちょっとクリーンルームに行ってくる。」
そういうとクロエはクリーンルームに向かう。

クリーンルームに到着するとマユキが1人。
クロエはマユキの肩をポンと叩く。
マユキは驚き振り返る。
「ク、クロエさん!!・・・驚かせないでくださいよ。」

クロエ
「集中してたところゴメン。」
モニターに見入るクロエ。
「もういつ出てもらっても大丈夫そうだね。」
 
マユキと少し話した後、自分の部屋に戻った。
そして修理したアストラルモジュールを
取り出し、リセットを開始した。



ユウのフラグメント 現在

ユウたちはアスカともに
オペレーションルームのモニターに目をやり、
633.0フラグメントの様子を窺っていた。

明日架でオクターヴを出ていった後
タクミを家に送りにいった奈々が

オクターヴに戻ってきた。

「タクミ君送って来たー!で、今、明日架がさぁ・・・」


その言葉がユウのフラグメントにいる
アスカの耳に届く。
(あの子たちタクミの面倒を
 見てくれてるのか、ありがとう)



奈々は雰囲気がおかしな事に気が付く

「何?どしたの?」

4人でいつもの席につき事情を聞いた。

奈々

「何やってんのよ優等生の優のくせに」


「こんな時、優等生とか関係ないでしょ」


奈々

「まっ、むしろ頭よすぎるのよねぇ優は」


「褒めてないよね」


奈々

「うん!褒めてなーい」


クロエ

「優が感じたこと自体が間違ってないと思うんだ。
 明日架がどこか本音で話してないっていうのは、
 ボクもずっと感じてた」


奈々

「だからってそのまんま言う?ガード堅くなるだけじゃん」


「もっとオブラートに包んだ言い方すればよかったわけ?」


奈々

「それはそれで伝わんないっていうか・・・」

すると優は声を荒げる。

「じゃ、どうしろって言うのよ!」


そんな優にゆるやかな口調で

「いちばん伝わるのって・・・
 頭でこねくり回した言葉じゃなっくてさ

 すっごくシンプルなことだと思うよ。」


優は奈々の言ってることは何となくわかるが

どうしていいのか分からない。

 

みあは、ふと明日架の弟について質問を投げてみた。

「あの・・・ずっと聞きそびれてたんですけど、
 明日架先輩の弟さんって事故か何かで?」


その真相を聞いたみあは、いてもたってもいられず

「やっぱり行きましょう!明日架先輩を探しに!
 みあはみんなと・・・明日架先輩と一緒に居たいです!」

そして皆で明日架を探しに行くことになるが
どこに行ったのか見当がつかない。


みあ

「こういう時、明日架先輩ってどこへ行くんでしょうか?」


その質問に奈々は

「うーん・・・」


そう言いながら優の方を見る。
そしてクロエとみあも。

「えっ・・・私にも分かんないわよ!
 そこまで明日架を知ってるわけじゃ・・・」

 



そんな優をモニターで見ていたユウは怒っていた。

「アンタ、そんなこともわからないの!」

思わず声が出る。

 



優は何かを思い出す

「あっ・・・今日平君がいなくなった公園!こっちよ!」

 


イライラするユウ。

「考えなくても分かりなさいよ。」


クロエ

「ユウ、まあ落ち着いて。
 明日架さん、公園から移動し始めた。」


ユウ

「えっ?」


クロエ

「何かを追っていったみたいだね」


ユウ

「!!」


クロエ

「後、3人のアストラルモジュールに
 クラッター反応があったみたいだね」


モニターに見入るユウ。

「3人はクラッターを倒しに、
 あっちの私は明日架を探しに・・・か」


ユウは優が映し出されているモニターを見て

「あの子のお尻をぶったたいてくるわね。
 クロエあの子の分のアストラルモジュールを!」


そういうとアスカの方を見て

「おそらく、私の世界のあすかが明日架に
 接触してくると思うわ。しっかり見てるのよ!」


アスカ

「ああ、分かった!」


ユウはアストラルモジュールを取り出しゲートに入り633.0に移動した。

 



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