時は流れ決闘場拳銃格納庫。

ユウは其処に居た。

 

「おい、お前!!何をしている!?

ユウは声のした方を向くと一人の男が立っていた。決闘場の職員のようだ。

ユウ

「はっ!!氷石判事殿からの命令で本日使う銃の最終チェックをしております。」

職員

「そんな話は聞いていないが・・・」

ユウ

「あなた方の仕事を疑ってるわけではありませんが、絶対失敗するわけには

いかないということで銃のスペシャリストである私に最終チェックをしてこいと

命令されました。急遽ですので話が通っていなかったことはお詫びします。」
職員

「そうか。今回は大盛況ということだからな。氷石判事殿らしいといえばらしいか・・

 もし万が一不備が見つかった場合は報告をしてくれ。まぁ万が一はないがな」
ユウ

「分かりました。ありがとうございます。」

職員は去っていった。
ユウ

(もう、焦ったじゃないのよ。)

 

そして決闘の時間になり決闘場では明日架と優。

向かい側には奈々とクロエが拳銃の入ったホルダーを装着させられている。

ユウはいつでも飛び出せるように観客席最前列にいた。

 

氷石判事

「それでは、ただいまより、決闘を始めます。まずは前座の4人。

 音楽が鳴り終わったら拳銃を抜き、相手を撃ち殺しなさい。

 銃弾が続く限り、何発撃ってもかまわない。ただし、決着がつかなかった場合は

 双方とも射殺となるので、そのつもりで。ではよい決闘を」

 

ユウ

(もし自分の保身のために撃ち合うような子たちであれば、

ここで私の作戦は終了・・・まぁ大丈夫だと思うけど)

 

音楽は鳴り終わってもユウの予想通り誰も動かない。

 

氷石判事は命令をする

「早く拳銃を抜きなさい。」

それでも動かない。

 

ユウ

(あの子たち・・私の目に狂いはなかったわね。しかしあの子は何をやってるのかしら?)

 

氷石判事

「ふっ、興醒めね。泣かない鳥に用はないわ。射殺としましょうか」

氷石判事が左手を上げたその時だった。

場内放送が流れる。

「首尾よくやってくれたわね。迫間保安官」

 

裁判所での氷石判事と迫間保安官の会話が場内に流れ始めた。

 

その放送を耳にした観客はざわめき、迫間保安官のそばにいた観客は

迫間保安官を取り囲む

「おい、どうなんだ保安官!?」

「おめぇ、判事とグルなのか!?」

 

氷石判事もその場を鎮めようと

「皆さん、耳を貸さないで。これはでまかせです!」

とマイクに向かって訴えるが誰も聞かない。

 

ユウ

(まったく、ヒヤヒヤさせるんじゃないわよ。

いくら空砲にすり替えたとはいえ・・・・・まぁ結果オーライということでいいわ)

 

判事の背面の壁の上にアスカが現れ、イコライザーに変身し

氷石判事に襲い掛かる。すんでのところでかわす判事。

 

だが肩の一部がメッキが剥がれたような感じになり金色輝く。

 

氷石

「おのれー!!」

右手を空にかざすと光り輝き、クラッターの面が現れる。

アスカは攻撃をしようと飛びかかるが背後から攻撃を受ける。

攻撃された方向に目をやるアスカ。

そこには迫間保安官が銃を構えていた

「クソガキが!!」

迫間保安官が左手を上げるとクラッターの面が現れる。


それを見た、みあ。
「あっ」

両手を口にあてショックを受ける。


アスカ

「クラッターが2体!」

迫間保安官は客席から飛び降り氷石の横に。

そして2人そろって仮面を装着すると雪うさぎが放射状に飛び出し

たそがれの空間が形成されていく。

ユウは、みあの事を見ていた。

(さあ、あなたが信じる正義を・・・その思いを爆発させない!)

みあ

「保安官・・・あなたはみあに強くなれって言ったけど・・・・・

 みあの強さは、あなたのとは違う!」


そう呟くと右手にイコライズメディアが現れる。


ユウ

(あなたは強い!さぁ行きなさい!)

みあはたそがれの空間の中へ飛び込んでいく。

 

ユウ

(ここはもう大丈夫ね。後は・・・)

ユウの読み通り危なげなく2体のクラッターは倒された。

 

そして夕刻。

御神木の前に明日架たち5人。

5人が帰るのを確認するために建物の陰にアスカ

そのすぐそばの木の陰に身を隠すユウ。

ユウはわざと物音を立てる。

そして明日架たちが帰っていったのを確認すると

アスカは誰かに話しかけるかのように

「フッ・・二度と他のフラグメントに行くなと言い聞かせたいところだが
 無理だろうな・・・周波数を教えるお前のような者がいるのでは」


そういってユウの隠れている木の方を見る。

「あ、バレてた?」

姿を現すユウ。


アスカ

「お前、どこのフラグメントから来た?なぜ干渉する?」


ユウ

「さあ・・・なんでかしらねぇ?」

そういうとユウはアストラルモジュールを手に取る。


アスカ

「ま、待て!」


ユウ

(今回は私の存在を知ってもらうだけだから・・・じゃあね)

ユウはアストラルモジュールを起動させ自分のフラグメントに戻った。

 

ゲートから出てくるユウ。
クロエ

「ユウ、お帰り。その様子だとうまくいったようだね。」


ユウ

「まあね。すごくヒヤヒヤさせられたけどね。で、話は変わるんだけど」


クロエ

「なんだい?」


ユウ

633.0の奈々ちゃんにね、あっちのアストラルモジュールが渡されたんだけど

 それを解析をできるといいんだけど・・・ここに持ってきちゃまずいわよね?」


クロエ

「まぁ・・そうだね。ここの周波数がバレる可能性が高い・・かな。」

 

クロエはアストラルモジュールを手に持ち

「こういうのを作る場合、基本ココみたいな本部みたいなところがあって

 どこのフラグメントに行ってるのか把握しておく必要がある。

 行った先で壊れたりなんかしたら、迎えにいけないからね。」


ユウ

「そうよねぇ。追尾する機能はついてるわよね・・・」


クロエ

「ボクも一緒に633.0に行ってその場でデータ取るというのはどう?」


ユウ

「んー、寝ている間にちょっと拝借するだけだから、そんなに時間はないわよ。」


クロエ

「データを取るだけだから2,30分あれば、何とかなると思う。

解析帰ってきてからになるけど。」


ユウ

「データを取るだけって?」


クロエはデスクの上に置いてあった箱のようなものを手に取り

「これで取る。これは機械のレントゲンといえばいいのかな?

 このなかにアストラルモジュールを入れてスキャンするんだ。」


ユウ

「それで中の作りが事細かく分かって、それをうちのシステムで

 再現しようってわけね。」


クロエ

「まぁ、そんな感じだね」


ユウ

「じゃあ、いきましょうか」


クロエ

「い、今から?」


ユウ

「そ、そ。今から♪時間的にも丁度いいのよ。」


ユウは周りを見渡すと一人の男性が目に入る。

「橘田さぁーん。クロエ借りていくんでココ、お願いしまーす。」


橘田

「ぼ、ぼくですか?」


ユウ

「はい。橘田さん素敵だから目に留まっちゃった。テヘ」


橘田はあきらめた様子で

「はぁ・・・わかりましたよ。」


ユウ

「じゃ、よろしくお願いしますね」

そういうとクロエにいろいろ準備をさせ二人でゲートに入る。


ユウ

「じゃあ、行きましょうか?」


クロエ

「うん、行こう」

そして2人は633.0フラグメントに移動した。

 

633.0御神木前

ユウ

「じゃあ、クロエはここで待ってて」

そういうと奈々の家に向かった。

 

クロエは町が見渡せる場所に移動して暁雪の街を眺めていた。

「ボク達の世界も黄昏にのまれてなかったら、こんな感じだったのかな」

そんなことを思っていると不意に声を掛けられる

「お待たせ。クロエ。」


クロエ

「は、早いね。ユウ」。

ユウはクロエに奈々のアストラルモジュールを渡す。


クロエ

「へぇ。これがあっちのアストラルモジュールかぁ」

クロエは早速スキャンを始める。


クロエ

「ここの世界はいいね。なんか落ち着くというか・・・」


ユウ

「ええ、いいわね。ほんとに。」

そんな話をしているとスキャンが終わった。


クロエ

「思ったより早く終わったね。」

そう言って装置の蓋を開けアストラルモジュールを取り出す。


ユウ

「じゃぁ、返してきますか」

アストラルモジュールを手にしようとすると


クロエ

「ちょっと待って。試したいことがあるんだ。」


ユウ

「ん?何するの?」


クロエ

「ユウ、イコライズメディアを出してほしいんだけど」


ユウ

「いいわよ。」

そういって手のひらをみつめるとイコライズメディアが現れた。


クロエ

「キミのアストラルモジュールをボクに渡してくれるかな?」

ユウはこの言葉でクロエが何をしたいのか理解し

アストラルモジュールを渡し、奈々のアストラルモジュールを受け取った。

するとユウの手にあったイコライズメディアが少し光を放った瞬間

カセット型に変化した。


クロエ

「やはり思った通り。手にしているアストラルモジュールによって
 イコライズメディアは変化するんだ。おそらく持ってるイメージ
 でも変わるかもしれない。」


ユウ

「あら、便利ねぇ。」

そしてまたアストラルモジュールを交換するとイコライズメディアが戻った。


クロエ

「うん、間違いないね。」


ユウ

「この先、展開によっては、あたしたちのアストラルモジュールを渡しても

大丈夫ってわけね。」

そういうとイコライズメディアが姿を消した。


クロエ

「試したいこともやれたし、そろそろ帰ろう」


ユウ

「そうね、これ返して来るから待ってて。」

そしてユウが戻ってきて、二人は自分のフラグメントに戻っていった。

 


あくる日



クロエ

「ユウ、解析終わったよ。」


ユウ

「で、どんな感じ?」


クロエ

「うん、基本的にはボクらの世界のものと同じだったよ。

 大きな違いはあの子を感知できないのと、
クラッター反応が出るタイミングが違うってことかな。
おそらくボクらの物のほうが1,2日早いんじゃないかと思われる。」


クロエはパソコンの画面をユウの方に向け説明していく。

 画面には3D画像化されたアストラルモジュールが表示されている。

 

クロエ

「使い方とかはこんな感じだけど、分った?」

ユウ

「んー大体わかったんだけど・・・」

クロエ

「なにかあったら言ってほしい」

ユウ

「追尾機能はあるんでいいんだよね?」

クロエ

「うん、ただこのアストラルモジュールではここには来れないと思う。」

ユウ

「あっ、ゲートの位置が見つけられないのね?」

クロエ

「うん、その通り。来れたとしても上の黄昏に飲まれた世界。

 後はタイムモードなんだけど、ベーシックに設定されてるね。

 でも4時44分じゃなくても使える。

 予想通り、楔キャンセラーもオフになってる。

 そんな感じかな。」

 

ユウ

「分かった。ありがとう。助かるわ」

 

ユウは自分の部屋に戻っていった。


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